今回紹介するロイヤル英文法は、「ためらいなく英語を話したい」と考える日本人の心に寄り添ってくれる、とても心強い英語文法書です。高校生以上の英語学習者を対象とした参考書で、難易度はやや高めに設定されていますが、だからこそ質の高い英語力獲得のための基盤づくりが可能になります。

ロイヤル英文法 教材の特徴

ロイヤル英文法―徹底例解
綿貫 陽, 須貝 猛敏, 宮川 幸久, 高松 尚弘
旺文社

文法事項の網羅性に優れている

このロイヤル英文法は、他の英語文法書と比べ、説明の細かさ、網羅性に関して高く評価されていて、「英文法にまつわる疑問を解消してくれる」心強い文法書となっています。

カテゴリとしては、Forestやブレイクスルー総合英語などと同じく、文法の単元ごとに、詳細な解説を行うタイプの教科書に分類されますが、他の参考書に比べても、このロイヤル英文法は、非常に網羅性に優れています。

ロイヤル英文法の出版社のコメントでは、

“「専門書の詳しさ」「学習参考書の分かりやすさ」「辞書の引きやすさ」の3要素がマッチした英文法書の決定版です。
学校で学習者・授業者の間でよく問題になる事項を具体的に解説している「Q&A」欄も増えて充実しています。
本書は、中国本土および台湾でも翻訳出版され、国境を越え幅広い多くの人々に英語学習に役立っています。”

と述べられており、「専門的・辞書的」な側面の強い文法書と言うことができそうです。

例えば、関係代名詞の単元では、ただ単に関係代名詞の文法的な説明だけで済ませるのではなく、新しい例文で、文中での使い方を示し、体系的に派生した内容についてのコラムも付いています。

こういった「ワンポイント説明」が書く文法事項についており、幅広い知識が身につくようになっています。

実際にネイティブスピーカーが使う例文ばかりに厳選されている

こういった文法書を使って学習していて気になるのが、「本に出てくる例文は実際に使う場面はあるの?」ということではないでしょうか。

実施、せっかく覚えた例文も、使いどころがなかったりして、実用的な表現が身につかないといったことはよくありますが、このロイヤル英文法にはネイティブスピーカーが使う例文が厳選されて紹介されており、実際の会話でも使うことができる内容になっています。

日常的に発すること以外にも、格言やことわざなど幅広く使える表現を身に付けていくことができます。

また、例文以外のコンテンツにも特徴があります。

例えば、文章中で出てくる人称は、どんな語順で使われるのかというのを、様々なシチュエーションで解説しています。

また、書き言葉と話し言葉が区別されているので、英語表現の使い分けのセンスが身に付きます。
学校の試験や受験などには話し言葉の英語の表現はあまり出てくることはありませんが、普段あまり出会うことのない英語の口語表現を覚えていれば、英会話力の向上にもつながるので、一石二鳥です。

細かい文法の解説がある

ロイヤル英文法では、文法の解説も細かくされています。
ただ単に例文の和訳や単語の羅列を見るだけでなく、各文法事項で、その文法にまつわる知識を、例文やコラムを通じて幅広く得られるというのは、学習者にとってはとても良いことです。

一辺倒に知識を詰め込むだけでは、却って非効率を被ってしまいます。
枝分かれ的に事柄を関連付けて覚え、多角的な学習をすることで得られる知識量は、通常の何倍にもなります。
ロイヤル英文法には、そんな勉強の仕方を手助けしてくれる工夫が詰まっています。

ロイヤル英文法の長所と短所

長所は、「かゆい所に手が届く」ような、一歩踏み込んだワンポイントアドバイスが充実しているところです。

英文法を細かくかつ幅広く丁寧に学習したい人や、文法に関して疑問を持っている人には非常に適した参考書だと言えます。

また、単なる受験参考書としてではなく、文法の辞書といった要素も持った、ボリュームのある参考書なのがこのロイヤル英文法の最大の長所ではないでしょうか。
何か困った時は、これを見れば安心という心強さがあります。

短所は、比較的難易度が高めに設定されているため、初心者にとっては少し難しい内容だということ。
英語の基本ができていない学習者にとっては、基本を前提とした解説を理解できない可能性があるのがロイヤル英文法の短所です。
また、ボリュームがあるため、持ち運びには向いていないというのもマイナスポイントです。

ロイヤル英文法 使用者の評判・レビュー

英語参考書、それも文法書となると、沢山種類が出ていてどれがいいのか悪いのかというのが知りたいですよね。
参考までに、ロイヤル英文法の使用者のレビューをいくつか挙げていきます。

良い口コミ

内容は初心者向けではなく、受験生に向けたものとなっており、整理されていてわかりやすいです。収録されている例文も豊富で詳しく説明されているので、とても良い感じです。大学院入試を控えた社会人ですが、今度の受験対策に使用したいと思います。

根本的に英語を勉強し、英会話力アップにつなげたい人にとっては非常におススメの参考書です。初歩的な文法事項が詳しく説明されており、ほとんどの内容を網羅しているので、とても役に立ちます。

本を通して読むのは疲れますが、英文法に少し疑問が出てきたときにとても役に立ちます。問題集で文法問題を解いて、分からないところがあればこの本で参照するという使い方がおススメです。基本をおろそかにしていては後々に困るので、この本に早めに出会えてよかったと思います。

この本は、文法に関して分からないことがあれば適宜辞書のように使用するのが理想的な使い方で、そう言った目的の参考書の中では最高クラスに良いものだと思います。ですが、英語をやり直す人や、受験を控えた高校生にはあまり向いていないかと思います。あくまで学校での英語学習の延長線としての学習に向いている参考書かと思います。

文法書としては非常に優れたものだと思いますが、最初から専門用語や少し難しい例文が出てくるので、1から英語を学ぼうとしている人には少し難易度が高いかと思います。ロイヤル英文法で勉強したいなら、この本の前に他の参考書で、ある程度の英語力の基礎を固めておく必要があります。

悪い口コミ

文法書として評価の高い参考書ですが、自分はそうは思いませんでした。自分は、分からない英文に出会ったとき、できるだけ詳しくその英文についての解説が欲しいのですが、ロイヤル英文法には英文がたくさん載っていて日本語が少ないので、自分には合いませんでした。

高校生が、受験のために使用する辞書としては、Forestで十分間に合うと思います。また、一般的な英文法の説明よりすすんだ内容が知りたい人には、他の参考書の方がおススメかと思います。この本が高校生におススメという人がいますが、自分にとっては解説が読みにくく伝わりにくいので、おススメはしません。

ロイヤル英文法 使い方のコツ

ロイヤル英文法
ロイヤル英文法は、ボリュームもあって、内容も簡単なものではないので、一気に読もうとしても継続できません。
毎日少しずつ、30分だけでもいいので、コツコツ進めるのが最も良い使い方かと思います。

また、文法の問題集で問題を解いていて、分からない箇所が出てきたときに、辞書として適宜使用する、というのが、理想的なロイヤル英文法の使い方だと思います。

また、疑問に思った箇所があるたびに、より深い、より派生した文法知識を得ることができるので、普通の学習よりも早く何倍もの知識を取り入れることができるのもこのロイヤル英文法の強みかと思います。

解説はできるだけ読むようにすると意味を深く理解できるため、記憶も定着しやすくなります。

大学受験にも使える?ロイヤル英文法で対応できる大学のレベルは?

先にも挙げたロイヤル英文法のレビューで、高校生の受験には向いていないと言う方もいましたが、英語の基礎力があり、なおかつさらに上のステップに進みたい人には、非常に良い参考書だと思います。

難易度も高めに設定されているので、この参考書でまかなえるレベルの大学はかなり幅広くなります。
ハイレベルな国公立大学対策には少し物足りないですが、早慶上智、関関同立レベルには対応可能です。

そうはいっても、これ一冊あれば必ずこれらの大学レベルに必ず届く、というわけでは決してありませんので、ロイヤル英文法一冊のみで受験に挑むのは得策ではありません。
あくまで文法の辞書として使用するのがおすすめです。

ロイヤル英文法はTOEICや英検対策に有効?

TOEICでは、基本的な文法知識がなければ高得点は狙えませんが、ロイヤル英文法で基礎を固めれば、十分TOEICでも対応できます。
もちろん、問題を素早く解けるようになるにはそれ専用の問題集で練習を積む必要がありますが、問題を解くための文法知識を得るには、ロイヤル英文法でも大丈夫です。
問題集と並行してロイヤル英文法を使えば、高得点が狙いやすいでしょう。

ロイヤル英文法のアプリがあるって本当?

AppStoreでは現在、「表現のためのロイヤル英文法」というアプリが取り扱われています。
アプリなら外でも学習ができるので、通学や通勤のスキマ時間を使って気軽に学習したい人にはおススメです。

ロイヤル英文法の電子版はあるの?

ロイヤル英文法には、便利な電子版もあり、Amazonではkindle版のロイヤル英文法も取り扱いがあります。

書籍版はボリュームが多く、持ち運びには適しませんので、外出先で勉強する機会の多い人には、断然電子版ロイヤル英文法がおススメです。

ロイヤル英文法 青と黄 どう違う?

ロイヤル英文法には、表紙が青のものと黄色のものがあります。
青色の方が、今回紹介してきた「ロイヤル英文法―徹底例解」という参考書で、黄色の方が「表現のための実践ロイヤル英文法」というシリーズものの参考書になります。

この黄色いロイヤル英文法では、英文を書いたり、英語を話したりするうえで役に立つ文法を中心に紹介しており、難易度は青のロイヤル英文法よりやや高めに設定されています。

ネイティブスピーカーの先生が、解説・英文・訳語を作成しており、随所にネイティブならではの感覚が生きています。

全部で24章にもわたる文法事項それぞれに確認問題と実践問題の2つの章末問題が付いているので、学習した文法が本当に身についているのかを、自分で確認することができます。

また、付録も充実しており、句読法、英文手紙やe-mailの書き方を学ぶことができます。
青色のロイヤル英文法で実力をつけた人は、黄色版でさらに上のステップに進んでみてはいかがでしょうか。

ロイヤル英文法、一億人の英文法、Forest、ブレイクスルー、選ぶならどれ?

教材名ロイヤル英文法一億人の英文法Forestブレイクスルー
値段1944円1944円2588円1649円
対象レベル中級者~上級者初心者~高校1年~社会人初級者~上級者
教材の特徴網羅性・細かさに重点を置いた、一歩踏み込んだ英文法の解説ネイティブスピーカーが、どのように英語をイメージしているのかを、イラストや図を使って分かりやすく解説している受験などの試験を意識した文法の解説高校英語で習う文法事項を網羅
教材のポイント
  • かゆい所に手が届く文法の解説
  • 実践的な例文
  • 体系的に派生した英語知識を身に付けることができる
  • 英会話に役立つ英文法
  • イラストを使った解説
  • ネイティブスピーカーの、英文法の使い方
  • シンプルな解説
  • 辞書として使用可
  • 文法の辞書として使える
  • 序章・基本・発展の3段階で英文法を理解できる

ロイヤル英文法と一億人の英文法

ロイヤル英文法がハイレベルな文法の辞書としての側面を持つ反面、一億人の英文法は、そこまでレベルが高いわけではありません。

どちらも同じ文法書ですが、一億人の英文法は初心者でも簡単に取り組めるような内容になっており、テキストの中にはイラストや図などが多く使われています。

このおかげで、日本人にはあまりなじみのない英語のニュアンスや、ネイティブスピーカーが文法をどのように考え、使っているのかを分かりやすく学んでいくことができます。

各単元に登場する文法事項を、例文を使って分かりやすく解説しているのが特徴です。

初心者にとってはとっつきやすい内容ですが、中級・上級者にとっては少し簡単すぎるかもしれません。
ある程度の英語力があるのであれば、ロイヤル英文法を使うことをおススメします。

ロイヤル英文法とForest

Forestは高校生向けに作られた教材ですので、一億人の英文法と同様、初心者を対象にしています。
なので、難易度もロイヤル英文法ほど高くは設定されていません。
あまり難しい参考書は読めない、初歩的な英語を学びたいと考える人には、Forestの方が合っているのかもしれません。

ロイヤル英文法とブレイクスルー

ブレイクスルーも教材の難易度はそれほど高くなく、高校生が普段使いするのにちょうどよい参考書です。
テキスト内ではイラストも使われており、3段階で学習を進めていくことができるような構成になっているので、初心者のひとでも安心して取り組める参考書かと思います。

基本例文も、日常の中で頻繁に出てきそうな自然なものが多いので、沢山学習を積めば、英会話の基礎力向上にもつながります。
また、項目ごとに「Check!」という練習問題がついているので、学習した英語が身についているかの確認ができて便利です。
じっくり解説したい内容の時には、コラムで補ってくれる作りになっており、内容もためになるものが多く、語り口も優しいので、単純に読み物として楽しむことができます。

まとめ

英文法を少し覚えただけで、英語が上達すると思っている人は、すこしでも早くその考えを捨てるようにしましょう。

形だけの学習だけで、英語が上達することはありません。
学習した英語は、使ってみて初めて身につくものです。

ロイヤル英文法は、使える英語に厳選された内容となっていますので、実践的な英語を身に付ける第一歩をきっと手助けしてくれると思いますよ。

ロイヤル英文法―徹底例解
綿貫 陽, 須貝 猛敏, 宮川 幸久, 高松 尚弘
旺文社

自分にぴったりな英語教材・勉強法を見つける

目的別
TOEIC
英検
英会話
ビジネス英語
旅行英会話
レベル別
英語初心者の方
TOEIC300点の方
TOEIC400点の方
TOEIC500点の方
TOEIC600点の方
技能別
リスニング
リーディング
スピーキング
発音
ライティング
語彙力
文法